日本国は、今回の東日本大震災に限らず、
古来より、地震や津波、台風などによる自然災害が多発する災害大国です。
近年だけでも、1991年の雲仙普賢岳噴火から2011年の東日本大震災の間において、
被災者向けに約11万戸の仮設住宅が建築されています。

しかも、東日本大震災後、巨大地震によって被災すると想定されるエリアは、
日本全域の30%にも及ぶ可能性があるという研究もあり、
特に東海や四国、関東地方における災害対策準備は急務と言わざるえません。

 

このような現状であるにもかかわらず、その災害対策は十分であるとは言えず、
中でも災害時に必要となる仮設住宅の供与に関しては、
これまでの反省点が根本的な部分において生かされていないというのが現実です。
その新たな仕組みの構築においては、住宅としての居住性能の確保に限らず、
ライフスタイルの変化に伴う地域住民のニーズや地域の気候風土への性能的適合はもちろん、
地域経済再生の糸口としての地元工務店による仮設住宅建築という視点や、
災害時に有益な労働力となるボランティアとの連携など、様々な角度からの検討が不可欠です。

当法人は、大災害時において必要となる仮設住宅の設計プラン及び
その建築と供給システムを本質的なニーズにそくして見直し、国土防災と林業再生を連携させた、
地域住民参加型であるとともに資源循環型の仮設住宅づくりシステムを実現させ、
地方から、つよく美しい日本のふるさとづくりを推進していくことを第一の目標とするものであります。
このような地域社会に貢献する公益性の高い目標を実現するためには、NPO法人を設立し、
広く地域社会の理解を得て、必要な事業を継続的に推進しそれを達成する必要があります。

当法人では、上記の主旨に則り、理想的な仮設住宅に必要と考えられる建築工法及び
建築部材と建築システム及び施工体制ネットワークの効果的な構築に関する研究開発を実施し、
それを継続的かつ魅力的なビジネスモデル及び仮設住宅商品として一般に普及啓蒙、
流通させる社会貢献事業を実践的に推進し、自立的に運営維持するものとします。

その結果として、現行法規による仮設住宅の建設供給システムの不備を補う
新たな当該システムを実質的に開発し、その確固たる実績を伴って、地方自治体との
連携を図りながら、仮設住宅に関する制度改革を提言して参りたいと考えます。

 

また同時に、日本各地における国土防災と林業再生との連携の中で、
資源循環型社会の啓蒙を行い、木と住まい、木と防災、
森と川と海との生態系の繋がりなどに言及される「木育」または「住育」を図りながら、
地域住民や次代を担う子どもたちに対する“豊かな想像力を育む”社会教育活動を推進します。

その上で、当法人の将来的な目標としては、
災害大国日本ならではの必然的な物づくりの成果として開発した理想的な仮設住宅を、
国際機関などと連携を図りながら世界に向けて発信。全世界的な「仮設住宅建築コンクール」などを開催。
世界的交流を広めつつ住民参加型による資源循環型の国土防災の在り方を普及啓蒙する所存です。

 

NPO法人つよく美しいふるさとづくり機構
理事長 橋本大二郎